2017年 01月 07日
柿喰う客の『虚仮威』を見てきました
作:中屋敷法仁
題名は、「こけおどし」と読みます。私は読めませんでした。
兄がブログで褒めていたので、観に行くことにしました。
下北沢へ1人で行くのも、本多劇場に入るのも久しぶりです。
受付30分前に並びましたが、
座席は既に決まっていたので、慌てていく必要はありませんでした。
本多劇場のホワイエは懐かしい雰囲気でした。すっかり忘れていました。
芝居について
ここからは、ネタバレになるのでこれからお芝居をご覧になる方はお気をつけください。
台本のテーマというか題材は、
サンタクロース
日本の神と西洋の神
家族
友情
性
などでしたが、これらをこのように一つにまとめあげていたことに感心しました。
最後に2つのどんでん返しがあり、それは性にまつわるものでしたが、
性について物語がどれほど深く切り込んでいるかというと、物足りなさを感じました。
なので、どんでん返しはこけおどしでしかありませんでした。
大道具は、舞台中央に黒いジャングルジムのような造形がありました。
そのジャングルジムの中には、私には宝石珊瑚に見えた赤い木がありました。
ジャングルジムは、神が住む山をも象徴していたので、
木が赤かったことには違和感がありました。
しかし、物語に赤という色は重要な意味を持っているので、そうしたのだと思います。
すべての衣裳が赤、黒、白で構成されていました。
芝居は、年末に観たアニメの『3月のライオン』と同じように
シリアスとギャグとデフォルメが混在していました。
また、12人の役者が最低2役を演じていました。
説明的なセリフもとても多く、観客を置いてけぼりにしない工夫がされていました。
このような演出が流行りなのでしょう。
ただし、私には何度か聞き取れないセリフがありました。
照明は大量のSSが並んでいて、舞台前にもたくさん転がしが並んでいました。
照明の当たりが、役者や幕などにあまりこだわりなく設定されているように見えました。
だいたい色に染まればいいという感じでした。
袖幕もなく、袖は丸見えでした。
期待が大き過ぎたからでしょうか、私には感動が生まれませんでした。
素直に楽しめない年齢になってしまったのでしょうかね。