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2019年川越坂戸地区春季演劇祭

時間が経ってしまいましたが、やっぱり劇評を書くことにしました。
4月20日(土)、21日(日)に
尚美学園大学2000年記念館で行われました。
1日目
星野高校『ぼくらの青春ドキュメント』作:ユウと愉快な仲間達(既成)
 春山高校2年4組で文化祭の出し物として演劇を上演することになる。
 その台本は演劇部で採用されなかった台本で、スクールカーストの上位の女子グループをどうやって芝居作りに引き込むかが問題となる。
 正直、台本に説得力がありませんでした。
 素敵な衣裳に魅入られて芝居に興味のない人たちが役者をやりたがるようになるとは思えませんでした。
 星野高校は部員が多いので、その部員を少しでも多く舞台にのせようとしてこの台本を選んだのでしょうか。
 役者たちは縦の重なりをうまく避けていましたが、どうしても横に延びてしまっていて、もう少し高さをうまく使えなかったでしょうか。
 下手奥に置かれた不思議な模様の高台になっている箱もあまり効果的ではなかったです。
 役者の演技の点では、高校生を演じようとしているのか、どうしてもフラットな台詞回しが気になりました。
 他校の自由で力の抜けた芝居をもっと参考にした方がいいと感じました。


川越女子高校『さよなら3月、また来て昨日』作:穂村一彦(既成)
 赤点で卒業できないことになった前生徒会長が、タイムトラベルをして赤点課題をやり遂げて、卒業を勝ち取るというお話でした。
 力の抜けたコメディーに仕上がっていました。
 時間警察の造形など、嘘くさいけどそれを開き直ってやっているので、リアリティとか細かいことが逆にあまり気になりませんでした。
 タイムマシンの照明もまずまず上手くいっていて良かったです。
 私は、今回の春祭6本の中で一番楽しめました。


川越総合高校『真夏の夜のしょうもない夢』作:高見宙(既成)
 真夏の夜の夢の設定で、デメトリアスがライサンダーのことが好きな同性愛者に変えられて起こるドタバタ劇でした。
 高校生が好きそうなアイデアですが、着想が安易で物語としては深まらないし、私には楽しめませんでした。
 原作に対するリスペクトも感じられませんでした。
 役者たちが楽しそうに芝居をしていたのが救いです。


2日目
川越高校『パンツァー☆ぼぉいず』作:阿部哲也(顧問創作)
 1学期の成績で赤点7つで留年が決まってしまいそうな佐伯が、部活動で全国大会に出れば、赤点が免除されるということで、戦車道部を作り、大会に出場するという話。
 部員集め、資金集め(戦車の調達)、練習、大会と型どおりに進むストーリーでした。
 私には高校生が戦車を修理して操縦するという設定にはリアリティを感じられず、作品世界に入っていけませんでした。
 でも川西の部員4人は4人とも2日間で1番に押した作品です。
 効果音は素晴らしかったです。
 戦車の戦いは工夫していたけど、判りづらかったです。


県立坂戸高校『修学旅行~鬼ヶ島編』作:畑澤聖悟 潤色:県立坂戸高校
 『修学旅行』の旅行先が鬼ヶ島に変わっていました。
 昨年の春の『鬼いさんといっしょ』で表現しきれなかったことを表現するために『修学旅行』という入れ物を借りたのでしょうか。
 あまり成功はしていたようには感じられませんでした。
 川総の作品もそうですが、原作を上手く利用できずに、振り回されていたように感じられました。   
 『修学旅行』は、沖縄→修学旅行の部屋での争い→世界で起こる紛争というテーマがとても強く、それを鬼ヶ島に変えることで、テーマをどう変換したかったのかが伝わってきませんでした。


筑波大学付属坂戸高校『猟銃の声』作:筑坂演劇部(生徒創作)
 いじめられっ子がクラスメイトを人狼のゲーム世界に引き込んで、復習する話かと思いきや?
 ナレーションで一生懸命『人浪』というゲームのルールを説明するのですが、とても分かりづらく、途中でルールを理解するのを諦めました。
 ゲームが進むばかりで、登場人物達の会話もあまりなく、芝居になっていなかったのではないでしょうか。
 会話や身体表現で、登場人物達の関係性や心情を観客に伝えてくれることが芝居の醍醐味なのに、人がやっているゲームをただ見せられているだけのように感じてしまいました。

以上6本の上演が無事に終了しました。
これで尚美学園大学ともお別れです。
次回の地区大会は、9月12日(木)13日(金)に川越高校近くのやまぶき会館で行われます。
 


by kawagoenishi | 2019-05-01 07:41 | 演劇 | Comments(0)

元?高校の演劇部の顧問のほぼ日記です。